
収益物件を売却する際は、不動産会社に査定を依頼し、適正な売り出し価格を確認することが重要です。
ただし、不動産会社がどのような方法で査定額を算出しているのか、気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、収益物件の査定方法やポイント、注意点についてわかりやすく解説します。
アパートや投資用マンションなどの売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
収益物件の売却査定方法の種類

収益物の査定方法にはいくつかの種類があり、物件の特性や売却の目的に適した方法を選ぶことが大切です。
ここでは、代表的な3つの売却査定方法を解説します。
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
査定方法の種類①原価法
原価法は、不動産の再調達原価をもとに評価額を算出する方法です。
再調達原価とは、現在の状況で対象不動産と同じ仕様の建物を新築したり、同じ条件の土地を造成したりする場合に必要なコストを指します。
この金額から、建築後の経過年数に応じて価値が下がった分を差し引く(減価修正する)ことで、不動産の現在価値を求めます。
計算方法
再調達原価は次の方法で算出します。
●直接法:対象不動産と同じ工事をおこなう場合の具体的なコストを計算
●間接法:近隣の類似物件を参考にコストを見積もる
たとえば、農地を宅地に造成したケースでは、近隣の事例を参考に工事費用を算出しやすいですが、古くからある住宅地では類似のデータが少ないため、正確な原価を算出するのが難しくなります。
なお、原価法による評価額は「積算価格」と呼ばれます。
査定方法の種類②収益還元法
収益還元法は、対象不動産が将来どれだけの収益を生み出せるかを基準に価格を算出する方法で、とくに収益物件の査定で多く用いられます。
この方法で算出された評価額は「収益価格」と呼ばれます。
収益還元法には、現在の収益性を基準に計算する「直接還元法」と、将来の収益を割り引いて計算する「DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)」の2種類の方法があります。
直接還元法
以下の計算式を用いて価格を求めます。
『不動産価格 = 1年間の純収益 ÷ 還元利回り』
●純収益:家賃収入から経費を差し引いた実質的な利益
●還元利回り:その不動産が生み出す投資利回り
DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
将来得られる収益や売却時の価格を現在の価値に割り引いて合計し、評価額を算出します。
将来得られる収益には変動リスクがあるため、現在の価値に換算する際に割引計算を行います。
査定方法の種類③取引比較事例法
取引比較事例法は、近隣の似た条件の不動産取引事例を参考にして価格を判断する方法です。
対象不動産と類似物件を比較し、適切な価格を算出します。
●事情補正:特殊事情が取引価格に影響している場合に補正をおこなう
●時点修正:不動産価格の変動を考慮し、過去の取引時点の価格を現在の価格に修正
取引比較事例法で算出された評価額は「比準価格」と呼ばれます。
収益物件の売却査定に影響するポイント

先述したように、収益物件の査定方法には原価法・収益還元法・取引比較事例法の3種類がありますが、実際の査定額はこれらの計算方法だけで決まるわけではありません。
収益物件の売却査定では、入居率・築年数・設備の充実度などが大きく関係します。
売却を検討する際は、これらのポイントを意識し、適正な査定額を得るための準備を整えることが重要です。
ここでは、収益物の査定額に大きく関わるポイントを解説します。
ポイント①入居率が高いほど査定額も上がる
収益物件の査定では、入居率の高さが大きなプラス要素になります。
満室、または満室に近い状態の物件であれば、購入後すぐに安定した家賃収入を得られるため、査定額も高くなりやすいです。
ただし、単に売却時点での入居率だけを見るのではなく、年間を通じてどの程度の入居率を維持できているかも重要です。
不動産投資家は、瞬間的な入居率ではなく、長期的な賃貸需要を重視するため、入居率の推移を記録しておくと評価につながります。
ポイント②築年数が新しいほど評価が高くなりやすい
築年数も査定に影響を与える大きな要素です。
一般的に、新しい物件ほど査定額が高く、古い物件ほど低くなります。
新築に近い物件は、設備や内装が新しく、購入後も長期間運用できるため、投資対象として魅力的です。
また、見た目が綺麗な物件は、不動産投資の初心者にも好まれる傾向があります。
ただし、築年数が新しいにもかかわらず売却する場合は、「なぜ手放すのか?」と疑問を持たれることもあります。
売却理由を明確にしておくことで、買い手の信頼を得やすくなり、スムーズな取引につながるでしょう。
ポイント③入居者に人気の設備があるとプラス評価に
物件の魅力を高める要素として、入居者に人気の設備が備わっていることも評価のポイントとなります。
たとえば、以下の設備があると、査定額が上がる可能性があります。
●オートロック(防犯性が高く人気)
●太陽光発電システム(光熱費削減につながる)
●浴室暖房乾燥機(カビ防止・快適性アップ)
●オール電化(火災リスク低減)
●宅配ボックス(ネット通販需要に対応)
●無料Wi-Fi(現代の必須設備)
ただし、設備そのものの価値よりも、「設備があることで入居者の関心を引き、空室率を下げられるか」が査定評価に影響します。
収益物件の売却査定の注意点

収益物件の売却は、タイミングや査定の内容が大きく影響します。
売却を検討している方は、専門家に相談しながら最適な方法を見つけることをおすすめします。
ここでは、査定時に注意すべきポイントを解説します。
注意点①資産価値が下がる前に売却を検討する
収益物件は時間とともに劣化し、建物の寿命が近づくと修繕費用が増加し、買い手が見つかりにくくなるため、売却が難しくなります。
古くなった物件は見た目や設備の魅力が落ち、空室リスクが高まることで、家賃の見直しが必要になるケースもあります。
そのため、ある程度の価値が残っているうちに売却し、新たに条件の良い物件へ買い替えるほうが、長期的に見て有利です。
売却のタイミングを見極めることが、資産を最大限に活かすポイントになります。
注意点②査定額はプロに依頼するのがおすすめ
収益物件の査定には、利回り・市場の動向・周辺の取引価格など、さまざまな要素が関係します。
個人で正確な査定額を算出するのは難しいため、不動産のプロに依頼するのが安心です。
不動産会社に査定を依頼すれば、現時点での適正価格だけでなく、売却の適切なタイミングや地域の市場動向に関する具体的なアドバイスも受けられます。
なお、ほとんどの不動産会社では、売却査定を無料でおこなっています。
弊社でも無料売却査定をおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
注意点③査定額の根拠を確認する
不動産会社によって査定の基準は異なるため、査定額の根拠をしっかり確認することが大切です。
たとえば、同じ物件でも、建物の状態を重視する会社、エリアの需要を優先する会社など、査定のポイントが異なることがあります。
査定額に疑問がある場合は、どのような基準で算出されたのかを確認し、納得できる価格で売り出すようにしましょう。
まとめ
収益物件の売却査定には、原価法・収益還元法・取引比較事例法の3つの査定方法がありますが、入居率や築年数、設備の充実度なども大きく影響します。
とくに、価値が下がる前に売却するタイミングの見極めが重要です。
また、査定額の正確さを得るには、不動産会社への依頼と査定根拠の確認が欠かせません。
適切な査定方法を理解し、売却のタイミングや査定の根拠をしっかり確認することで、資産価値を最大限に引き出しましょう。
